シリーズ『戦後失業対策事業・失対労働者関係史料集成』

1 電子書籍版 復刻「じかたび・婦対ニュース、婦人部ニュース、自労婦人しんぶん」I

(1947〜1971年)

【監修・解説】
杉本弘幸(京都府立京都学・歴彩館)
【監修協力】
大原社会問題研究所「戦後失業対策事業研究会」
【協力】
法政大学大原社会問題研究所
全日本建設交運一般労働組合(「全日本自由労働組合」の後継組合)
◎戦後の復興期から高度経済成長期を経て1995(平成7)年まで実施された失業対策事業(失対事業)に関連する種々の資史料を系統的に復刻出版し、専門研究者に提供するシリーズの第1集である。
◎第Ⅰ期として失対事業の当事者の組合であった「全日本自由労働組合」の機関誌「じかたび」の創刊号から1971年刊行分(失対事業への新規流入の停止)まで、および組合の婦人部発行の「婦対ニュース・婦人部ニュース・自労婦人しんぶん」を電子書籍として復刻する。
◎その内容は失対事業に従事する労働者の賃金アップ、失対事業の打ち切り反対、労働条件・環境の改善、社会保障整備の要求から、生存権の確立、平和運動などへと広がる先進的な組合の活動を詳細に伝える。また時代とともに変化する日本の社会・政治状況を失対労働の現場からの視点で記録する一級資料である。
◎蘇る実践の記録は、幅広い研究者による分析によって新自由主義的な社会・経済の展開に伴って広がる格差・分断、非正規労働者の増加など、現代日本の抱える問題へ有効な解決策を示す可能性を有する。
◎電子書籍化による読みやすく鮮明な紙面。当時の活動状況が具体的に伝わる写真も多数収録。各号の記事の項目を採録した詳細なしおり付き。
全日本自由労働組合(全日自労)とは



1947(昭和22)年6月30日結成の全日本土木一般労働組合(全日土建)を前進として1953(昭和28)年10月12~14日開催の全国大会で結成。職安日雇労働者中心に日雇労働者を結集し、真の社会保障制度の確立のために失業と貧困に苦しむすべての人々と共闘することを目指す。その綱領には「最低賃金」の確立、就業労働者と失業労働者の階級的連帯性、封建的雇用制度および青年、女性、高齢者等への差別待遇の反対、軍国主義的傾向の復活強化に反対し、言論、出版、集会、結社、組合活動および政党支持の自由を確保し、基本的人権を守る。平和産業の確立と、労働者の国際的統一行動の強化と民族の独立、民主主義と平和の堅守が明記された。
その闘争は、失業・雇用保障と失対事業の再確立、最低賃金制と老齢年金、健康保険など社会保障制度の確立、軍事基地建設反対、女性組合員の問題として生活保護より仕事を、男女同一労働同一賃金、有給の産前産後休暇・生理休暇の権利、託児所と義務教育の国庫負担の要求、物価値上げ反対など多岐にわたり、現在でも解決がまたれる社会問題の数々に取り組んだ。

組合活動その中心としての機関紙『じかたび』



1947(昭和22)年1月、東京土木建築労働組合の機関紙『地下タビ』として発刊。一時発刊停止となり1951(昭和26)年12月に復刊。1953年の全日自労の結成とともに組合の機関紙となる。以降旬刊、週刊となり1999(平成11)年まで刊行された。
その特色は、組合活動と一体化した「読みあい話しあい」「個人有料購読制」「独立採算制」「配達・集金活動」「拡大運動」「通信員制度」にある。




先駆者としての『婦対ニュース、婦人部ニュース、自労婦人しんぶん』



女性失対労働者の運動、母親運動の広がりなどを確立してきた全日自労婦人部が1956(昭和31)10月『婦対ニュース』を発行。『婦人部ニュース』『自労婦人しんぶん』とタイトルを変え1962(昭和37)年『じかたび』に合紙されるまで刊行。読みやすい大活字の採用、記事の平易化とビジュアルな要素の導入、生活記録や投書の重視など、その後の『じかたび』の編集に大きな影響を与えた。












『じかたび』が記憶する。‶全日自労〟の運動と時代と社会

失対うちきり反対
(号外・1962年6月25日)
くえる賃金を
(号外・1961年8月17日)

























核のない世界へ
(726号・1969年8月18日)
























男女同一労働同一賃金
(『自労婦人しんぶん』54号・
1959年1月25日)
朝日訴訟への連帯
(431号・1964年2月24日)























復刻「じかたび・婦対ニュース、婦人部ニュース、自労婦人しんぶん」I

・「じかたび」:1号~854号(1947年~1971年)・約5,250ページ
・「婦対ニュース」「婦人部ニュース」「自労婦人しんぶん」:No1〜No121(1956〜1962年刊行)・約350ページ
第1回配本:「じかたび」創刊1号(1947年)~372号(1962年):全3巻(約1,100ページ)
ISBN978-4-86364-603-2
本体揃価◆同時1アクセス:73,000円(税込80,300円)、同時3アクセス:109,500円(税込120,450円)
●2024年1月刊行
第2回配本:「じかたび」373号(1963年)~580号(1966年):全4巻(約1,300ページ)
ISBN978-4-86364-604-9
本体揃価◆ 同時1アクセス:87,000円(税込95,700円)、同時3アクセス:130,500円(税込143,550円)
●2024年4月刊行
第3回配本:「じかたび」581号(1967年)~693号(1968年):全3巻(約1,200ページ)
ISBN978-4-86364-605-6
本体揃価◆同時1アクセス: 74,000円(税込81,400円)、同時3アクセス:111,000円(税込122,100円)
●2024年6月刊行予定
第4回配本:「じかたび」694号(1969年)~800号(1970年):全3巻(約1,200ページ)
ISBN978-4-86364-606-3
本体揃価◆同時1アクセス: 74,000円(税込81,400円)、同時3アクセス:111,000円(税込122,100円)
●2024年10月刊行予定
第5回配本:「じかたび」801号~854号(1971年)、「婦対ニュース」「婦人部ニュース」「自労婦人しんぶん」(創刊~最終号):全2巻(約800ページ)+解説編
ISBN978-4-86364-607-0
本体揃価◆同時1アクセス: 54,000円(税込59,400円)、同時3アクセス:81,000円(税込89,100円)
●2024年11月刊行予定
全15巻+解説編:
全巻揃価◇同時1アクセス:362,000円(税込398,200円)、同時3アクセス:543,000円(税込597,300円)

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